こんにちわ。
球場飯ドットコム管理人のシャインです。
今回は昨年2020年11月1日のDeNA対阪神戦を観に行った時の観戦レポートを紹介していきます。
11月に入ってもまだ公式戦が終わっていなかった2020年。この11月1日の阪神戦はこの年の115試合目でした(2020年は120試合制)
この2日前の10月30日に巨人が優勝を決めており、シーズン最終盤のこの試合ははっきり言って消化試合としか思えない位置づけの試合でしたが、実はある試みが行われることで地味に注目された試合でもあったのです。
横浜スタジアム「入場緩和」実証実験
コロナ禍で開幕当初は無観客、7月からは観客上限5000人、そして9月からは観客上限を50%収容として収容人数を制限しながらもなんとか開催されてきた2020年のプロ野球。
そんな中でシーズンも終わりに近づいた、10月30日~11月1日のDeNA対阪神3連戦でついに今シーズン初めて観客上限を解除し満員の観客を入れて感染リスクを調べるという壮大な実証実験が行われたのです。
この頃は夏の第2波も治まっていた頃で、世間的にもGoToトラベルやGoTo eatキャンペーン等が盛り上がっていた頃でもあり少しコロナ禍が静かだった時期でした。しかし、さすがに3万人以上の密を作るのはヤバいんじゃないか、とか「これって人体実験じゃね?」のような批判も一部あったりして好意的に見る向きと批判的に見る向きが賛否両論だったのを思い出します。
しかし、この1年でプロ野球の球団経営がかなり打撃を受けたこともあり、もし来年も2020年シーズンと同じように観客上限を設けたシーズンになってしまうと本当に経営危機に陥る球団も出てくる可能性があります。
そういった意味では、感染症対策を万全にしたうえでなんとか3万人規模の動員で開催することを模索できないかと、このような実験を今年中に行っておく必要はあったのだろうと私は推測します。
そういった理解のもと、私は11月1日のDeNA対阪神戦の観戦に向かいました。

ハマスタ「入場緩和」実証実験
この日は入場時にCOCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ)のインストールを確認されました。強制ではなかったと思いますが、出来る限り協力をお願いします的なニュアンスだったと思います(私はインストールしました)

どうやらCOCOAをインストールして係員に見せるとスクラッチカードが貰えるようでした。

スクラッチカードを削ったところ、私は「コーヒー無料プレゼント」が当たりました(それが“当たり”なのか分かりませんが…)
コーヒー無料券はTHE BAYS内の球団オリジナルショップか、横浜駅の球団ショップで使えるとのことでした。


また、この日はスタンド内に設置した高精細カメラでマスクの着用率を調べたり、アプリの位置情報システムで人の動きを記録したりするとのことでした。さらに、スーパーコンピューターを使って観客の声援などによる飛沫の飛び方を分析もするとのこと。
スタンド内はよく分かりませんでしたが、コンコースは各所にカメラが設置されていて人の動きを録画しているようでした。

この日の座席
この日の座席はライト外野席でした。




この日の球場飯
ロコモコ丼(700円)@ダイナマイトボウル

&9バーガー(1900円)@BALLPARK BURGER &9

ひとつ残念だったのが、ライトウィング席にある「ベイマグロ」の店舗がこのシーズン一度も営業していなかったことです。
球場飯としては珍しいマグロ料理が食べられる貴重なお店でしたので、一度も食べることが出来ず悲しかったです。このまま閉店となってしまうのでしょうか…?
ぜひ来季は「ベイマグロ」が復活することを祈っております!


試合開始
ベイスターズ先発は期待の若手右腕・阪口皓亮
この日のベイスターズ先発は若手の期待株、阪口皓亮。
2019年のゴールデンウイーク甲子園に観に行った時に私は阪口を見てめちゃくちゃ良いピッチャーだなと思った記憶があります。苦手阪神、しかも敵地の甲子園という厳しい環境の中、5回無失点の快投を演じました。


阪口は一時期、球速が落ちていて不安視されていましたが。しかし、この日は概ね145キロくらいの球速は出ていたので復調してきたといったところでしょうか。しかし以前は150キロ前後の球を投げていたので完全復調にはもう少しだと思いますね。
この日バッテリーを組んだのが同じく若手有望株、山本祐大。彼は元々バッティングがいいし、肩も強いので、あとは試合経験を積んでいけば近い将来レギュラー捕手になりうる存在だと思っています。
この日は阪口がコントロールを乱したりすると積極的に声がけを行い叱咤激励している姿が印象的でした。ファームでもバッテリーを組んでいたので気心が知れた間柄なのでしょう。
結局この日、この若手バッテリーは5回1失点と上手く試合を作りました。
大爆発。ソトの2打席連続ホームラン!
先発 阪口が試合を作っていましたが、打線も初回から援護します。
ソトが阪神先発・高橋遥人からバックスクリーンの右横一番深いところにホームランをぶち込みます。
ソトお得意の「詰まったように見えて飛んでいく」ホームランですね。
完全にバットの根元に当たっているのですが、センター右の一番深いところに持っていくパワーと技術はやっぱり凄いです。

ソトは続く、3回裏にも初回に放った23号とほぼ同じ位置に着弾する24号を放ちます。2打席連続ホームランです。
まるでVTRを見ているかのように、ほぼ同じスイング、同じ弾道、同じ着弾地点ですね。
ソトは今年あまりチャンスで打てなかったり、体調不良に悩まされた時期もあったりと万全のシーズンではありませんでした。しかし、こういったバッティングを見せられるとやっぱり来季も貴重な戦力だと再認識せざるをえません。来季はまたホームラン王を奪回する活躍を期待したいですよね。



阪神に逆転される悪夢の7回表。唄う阪神ファンに募るストレス
先発阪口が粘りのピッチングを見せ、中盤には梶谷が追加点となるタイムリーを放ち、5回を終わって3対1とベイスターズは優位に試合を進めていました。


阪口は勝利投手の権利を持って降板したのですが、続く6回からマウンドにあがったパットンが7回に捕まります。

先頭の木浪にツーベースを打たれたのを期に、四球も絡んで失点。この日のパットンはどう見ても球威、コントロールともに乏しく抑えられる雰囲気がまったくありません。
ベンチはたまらず砂田にスイッチしますが砂田も糸原に逆転タイムリーを打たれます。そして続いて代わった平田もマルテにタイムリーを浴びこの回一気に4失点。3対5と逆転されます。
唄う阪神ファン。イラつくベイスターズファン。
阪神戦ではお決まりのように毎回繰り返される終盤に逆転される展開。
そのよく見たいつも通りの展開にベイスターズファンは一様に落胆しますが、この日もうひとつベイスターズファンをイラつかせた要素がありました。
試合の序盤からレフトスタンドの阪神ファンが、コロナ禍の実証実験中にもかかわらず声を出して応援しているのが見受けられたことです。
「あいつら歌ってるじゃねぇか…」
私の近くにいたベイスターズファンの男性はレフトスタンドの方を睨みながらそう吐き捨てていました。
そして阪神が逆転した7回ついに阪神ファンの興奮が頂点に達したようでレフトスタンドと3塁側スタンドから六甲おろし(正式タイトル「阪神タイガースの歌」)の大音声が響いてきました。
これにはたまらず球場係員の方が大慌てで「声は出さないでください!」「立ち上がらないでください!」と拡声器で叫んでいるのが聞こえてきました。
私たちベイスターズファンだって得点シーンでは「熱き星たちよ」を歌いたい気持ちが高まりましたがみんな抑えて拍手のみで我慢していました。
今年、広島戦や巨人戦も観に行きましたが、広島ファン巨人ファンの人達も概ね節度を守って応援を自粛してくれていました。
しかしこの日の阪神ファンは何かの当てつけのように声出しで応援していて、見ていて私もかなりイラつきました。
一説には、この日阪神ファンの応援エリアが縮小されていたことに阪神ファンの鬱憤が溜まっていたという説がありました。
しかしホームチームの応援エリアがレフトスタンドに及ぶことはどこの球場でもあることですし、また、この日はコロナの実証実験でしたので管理しやすいホームチームのファンを優先的に入れたかったという運営側の方針と思惑があったようです。
よって、自分たちの応援エリアが縮小されていたことに怒りルールを破るというのは筋が通らないことであることは言うまでもないことでしょう。自分の気に入らないことがあればルールを破ってもいいというのは社会では通用しません。

意地の反撃!細川の特大ホームラン!ソトのタイムリー!

非常にストレスの溜まる展開でしたが、この日のベイスターズは諦めませんでした。
7回裏にまず先頭の細川がレフトスタンド最上段に特大のホームランを放ちます。
マジで最上段の看板にブチ当ててますね!このホームランの前に細川はファールフライを打ちあげますが坂本とマルテが交錯して落球するというラッキーを見事活かします。
そして続く、大和・戸柱も連打で続きチャンスを作ります。

そしてチャンスを迎えて三度ソトが活躍します。見事、レフトへタイムリーを放って5対5の同点に追いつきます!

8回の大ピンチを見事ホールドする石田
いい感じですぐさま同点に追いついたベイスターズですが、一筋縄に行かないのが苦手・阪神戦です。
8回から登板したルーキーの伊勢がこの日はピリッとしません。サンズ・陽川に連続ツーベースを打たれます(ツーベース2本打たれて1点も入っていなかったのはラッキーでしたが)
続く木浪をラミレス監督お得意の申告敬遠で歩かせて満塁となります。伊勢は続く坂本をなんとかライトフライに打ち取り一死を取りますがここで交代。
セットアッパー石田投入となります。
石田は一死満塁の大ピンチに糸井・近本という強打者を相手に粘投します。

石田は糸井を三振に打ち取り、一番怖い1番近本もセカンドフライに打ち取る完璧なリリーフを見せます。見事一死満塁の大ピンチを凌ぎきります。


いやー石田の完璧なリリーフに痺れました。
正直この時の場面がこの日一番ドキドキしましましたし、手に汗握った瞬間でした。

そしてクライマックスへ…9回の攻防
9回表には守護神・三嶋が登場。

10月以降息切れしたのか不安定さを見せだした三嶋ですが、この日もピリッとしません。自らのエラーと四死球でまたも満塁のピンチを招きます。
本当になんで阪神戦は毎回いつもこうピンチになるのでしょうか…本当に疲れます。
しかし、ここから三嶋はギアが入ったのか陽川、木浪という地味に怖いバッターを抑えて無失点にまとめます。
劇的!梶谷のサヨナラタイムリー!
8回9回と連続した終盤のピンチをなんとか凌いだことですでにサヨナラ勝ちの予感はありました。

9回裏の先頭バッターは乙坂。
センター前に見事クリーンヒットを放ちます。

続く大和は送りバントで一死二塁に。

続く戸柱はショートゴロに倒れますがこれが進塁打となり、二死三塁に…!

ここで迎えるバッターは梶谷。この日は1本タイムリーを放っています。
ボール先行のエドワーズが3ボール1ストライクから見事レフト前へサヨナラ打!!!!!

この回が始まる時点で、この流れだと勝てるだろうなと思っていた通り、かなりスムーズにサヨナラ勝ちに辿り着くことが出来ました!
この日は逆転されたり、阪神ファンの振る舞いにイライラした場面もあっただけに本当に勝てて良かった!!この日は今季最後のハマスタ阪神戦でしたが溜飲が下がった気がしました。


この日の梶谷のヒーローインタビューは何か噛み締めるような雰囲気を漂わせていましたね。また、この日は奥さんを球場に招待していたとのことで、今思うと家族にベイスターズでの最後の姿を見せておきたかったのかなと思ったりします。
ご存知の通りその後、梶谷はオフに巨人へFA移籍しました。
結果的にこれが梶谷のベイスターズ時代最後のヒーローインタビューになりましたね。
藤川の引退セレモニー(?)場内一周の後、大和と抱擁する
この年限りで引退を表明していた藤川球児。
藤川はシーズン終盤、マツダスタジアムや東京ドームなど遠征先のビジター球場でも引退セレモニーを受けていました。その流れからか、今季最後のハマスタゲームだったこの日、横浜スタジアムでもやはり藤川の引退セレモニー(?)場内一周が行われました。



藤川球児はライトスタンドにも挨拶に来てくれました。しかし、藤川球児が凄い選手だったのは重々承知なのですが、正直ベイスターズファンの自分としては特に思い入れがあったわけではなかったので、私としてはわりと冷静に見ていました(;^ω^)
かつてベイスターズに所属したことがある選手の引退とかだったら感慨深さもあったんでしょうが…
でもその後、一塁側を通ってベイスターズベンチの前に来た時に、なんと一人残っていた大和がグランドに出てきて藤川球児と抱擁します。これはちょっと感動しましたね(^^)


何はともあれ藤川球児、20年以上の現役生活お疲れ様でした!
まとめ
この日の試合開始時点でベイスターズはAクラス入りの可能性がわずかに残っていました。なんとかAクラス入りする為にも絶対に負けられない試合でしたが、苦しみながらも最後に最高の勝ち方が出来て本当に良かったです。
結局ベイスターズはこの後のナゴヤドーム3連戦で3タテを食らい残念ながら2020年は4位とBクラスになってしまいましたが、シーズン最終盤まで諦めない良い試合を見せてもらいました。
また、この日のハマスタで行われた入場緩和の実証実験も結局クラスターが発生したというような話も聞きませんでしたし、有意義なものになったのではないかと思います。
ぜひ来季は少しづつでも、またあの満員のスタンド光景を取り戻せるように祈らずにはいられません。
