2018年最後の日。大晦日。
和歌山県太地町の落合博満野球記念館に行ってきた。

場所がかなり厳しいところにあるという事は事前に承知済みだったのだが、確かに実際かなり厳しい立地であった。
場所は紀伊半島の限りなく最先端に近い位置で名古屋からも車で最低3時間以上はかかる。
もし東京から行くとなると、上記の3時間プラス東京名古屋間の移動時間ということに。
私は長野県の飯田市を朝4時に出発し中央高速から伊勢湾自動車道を経由して東名阪自動車道、伊勢自動車道、紀勢自動車道と進んだ後、国道42号線を南下。
途中、休憩なども挟みながら実に約7時間をかけて到着した。
この記事の内容一覧
「落合博満野球記念館」は元々落合氏の別荘である
落合博満野球記念館は1993年に落合博満氏の功績を展示する日本初の野球選手個人記念館としてオープンした。
その後、イチローや松井秀喜もそれぞれの故郷に個人記念館を開設しているが落合氏は故郷の秋田ではなく和歌山県の紀伊半島先端に近い太地町でこれを開設。
元々、落合氏はこの温暖で穏やかな太地町を自主トレ等で訪れていたことでこの地を気に入りここに別荘を建てたとのことだ。
そう。ここは元々落合氏の別荘であり、年末年始は落合氏本人がいるのだ。過去に行ったことがある人のブログを見ていると福嗣君がいるときもあったとのこと(福嗣君にも会いたいな~)

11時頃、到着し駐車場に車を置く。
駐車場には車が7~8台停まっていた。1台に2~3人が同乗してきていると計算するとその時点での来場者は15人前後であろうか。
年末年始に落合記念館に行けば落合氏本人がいて、ほぼ確実に会えてサインがもらえるという情報はすでにネット上の様々なところで語られている。日本全国に数十万人はいるであろう落合フリークの間でその情報を知らない人はおそらくいないはずだ。
しかし、そのわりには来場者数が少ないのではないか?と感じた。
まぁ、場所が場所だし、忙しい年末年始にわざわざ紀伊半島の先端にまで行けないよと言われてしまえばそれまでなのかもしれないが…
いざ落合記念館へ入場!
まず正面の門をくぐるとすぐに小さなチケットボックスがある。
ここで入場料2000円を払う。
この2000円という料金は高いという人もいれば、トリプルクラウン落合と生で接することが出来るわりには安すぎるという人もいて、賛否両論である。
つまり、その感じ方はその人の野球への興味関心や価値観に大きく依存するということであろう。

実は落合記念館の建物の中はいっさいの写真撮影が禁止されている。
なので落合記念館の臨場感を画像を使ってお伝えすることはなかなか難しいのが実情である。


落合記念館の中は落合一色の博物館だった!
落合記念館の中に入る。
ここからは一部を除いてほぼ全館にわたって写真が撮れないのでテキストのみの報告となる。
中はガラスのショーウインドーが壁中に展開されており、一見ただの博物館である。
しかしのその展示されているものが落合一色であり落合オンリーの博物館なのである(当たり前なのだが)
その展示されている物の内容なのだが、とりあえず入口から出口に向かってロッテ時代→中日時代→巨人時代とだいたい時系列に並んでいる。
しかし、その内容にはあまり統一感がなく月間MVPや三冠王を取った時のトロフィー・賞状に紛れて落合氏が時代劇に出演した時の写真(高橋英樹と一緒に映った物)や、落合氏の趣味であるプラモデルが大々的に展示されていたり…
例えると、親戚のおじさんの家にある草野球やゴルフの表彰状と趣味の油絵がごった返している部屋みたいな雰囲気なのである。
うーん、、、もう少し展示方法を整理した方がいいような気がするのだが…
まぁ、「それがオレ流だ」と言われてしまったらそれまでなのかもしれないが…
しかし、落合さんはもとより原辰徳や清原などの使ったバットやグローブが展示されていて、実際にそれを握ったりグローブを嵌めたり出来るのは少し感動した。
2F 喫茶室「ベースボールヒーロー」
落合記念館の2階には喫茶店がある。
とりあえず1階の展示物を観終わった後、2階に上がり喫茶室に入った。
過去に行った人のブログを読んでいると、ここで落合氏がファンを相手に座談会を行ったりすることが多いと書いてあったのだが、喫茶室に入った瞬間いきなり落合氏ご本人がそこにいらっしゃった。
あまりにも普通にいすぎて、最初ただの客で来ているおじさんにしか見えなかった…
しかし、お顔はもちろんだが声も独特のゆっくりした噛み下したような話し方もテレビで見るままの紛うことなき落合氏本人である。
現在の落合氏は体型が非常にスマートになっていて思ったより背もそんなに高くないような気がした。でも、紛れもないテレビで見たまんまの落合博満である。
落合氏は喫茶室でファンの方と野球談議をされていた。
中日ファンと思しき男性ファンの方が一人、熱心に落合氏に質問をぶつけていた。
私は途中から入ってきたので、その方と落合氏の会話を最初から聞いていたわけではないが、私が聞いていた範囲では「打順の適正」と「中日の2番バッターは誰がいいのか」という2点をテーマとして議論していたように思う。
ファンの方が〇番バッターはこういう仕事をしなければいけないとか、〇番バッターはこういうタイプを置くべきだ、みたいな私見を述べた後、落合氏に「中日の2番バッターは誰が適正だと思いますか?」みたいな質問をしていた。
落合氏「その時の状況や選手の調子にもよるからここで誰とは言えない」
うん。素っ気ないといえばそうだが実に落合氏らしい返答である。まぁ、確かに実際そうだし。
あと、落合氏はこのようなことも言っていたように思う。
落合氏「打順がどうこうというのは現場の監督じゃないと決められないから論ずる意味がない。打順や選手起用なんてその時のチーム状況や選手個々の調子を知らなきゃ決められないし、そんな情報は内部にいないと分からないんだから外部の人間がああだこうだ言うことに意味はない。だから、そういう打順がどうこうとか誰誰を使えっていうのは一般の人達が居酒屋とかでああでもない、こうでもないと楽しく語っていればいいこと。正解なんてないんだから。」
( ↑ 上記の落合氏発言は完全にうろ覚えなので実際に落合氏が語った言葉や内容とは違うかもしれないことをご了承ください)
それ以外にもそのファンの方が落合氏に質問をしていたが、基本的にどれもはぐらかすような答えばかりだったと思う。そしてそれは確かにどの発言も落合氏らしい真理を突いた返答ばかりだったし、○○はこうだ!と一面的に断言することを避ける賢い回答だなと思った。
そして、一般のファン相手でも決して会話を盛り上げる為に取り繕ったリップサービスなどしないところがいかにも落合氏だなとも感じた。
これはあくまでも私の私見だが、なんとなく落合氏はここで野球の話をすることに乗り気じゃないような気がした。
野球の話をしている時よりも、親子連れのファンの方と何気ない世間話をしている時の方が会話も盛り上がっていたし、表情も穏やかで楽しそうだったから。
ここは落合氏の別荘なわけで、しかも年末年始に寛ぎに来ているのだから仕事(野球)の話からは解放されたいのかな、などと勝手ながら思った。
なので、もし今後、落合記念館に行って落合さんと会話を楽しみたいという人は野球の話よりも世間話的な話題とか時事的な話題とか、あと、落合氏の趣味プラモデルやアニメの話題なんかを用意していくと話が弾むのではないか、と思う(責任は持てないが)
ちなみに私は緊張しすぎて落合氏とはいっさい喋れなかった。
だからこそ、喫茶室で落合氏に質問で食い下がっていた男性ファンの方は凄いなとも思った。あれだけはぐらかされていたにもかかわらず、世紀のレジェンド落合博満に食い下がって会話を続けられる度胸は大したものだ。落合さんへの愛とその場のチャンスを無駄にしたくないという意思の強さ、そういうところは尊敬してしまう。
落合氏との記念撮影
落合氏が1階に降りていったので、私をはじめみんなもゾロゾロついていく。
下に降りていくと新しく来館した人が10人くらい増えていて入口付近はいささか人でごった返しているような状況になった。
そこから順番に落合氏と記念撮影をしサインをもらっていく。
サインは基本的には落合記念館で売っている色紙やボールや著書に貰うことが推奨されている。
持ち込みで色紙を持ってきた人もいたのだが、なぜだか色紙の裏にサインを書いていた。
落合記念館で買った色紙と差別化をはかっているのだろうか。
私は売店でボール(1000円)を購入しサインをいただいた。
サインする前にスタッフの方に名前を入れてもらいますか?と聞かれたが名前は結構ですと答えた。
もし名前を入れてほしい場合は紙に書いて落合氏に渡す方式らしい。
そしてサインをいただいた後は落合氏の銅像の前で記念写真を撮ってもらえる。

カメラは自分のスマホをスタッフの方に渡して撮ってもらう。
スタッフの方は慣れた手際で縦横とカメラの向きを変えながら5枚ほど写してくれる。
そしてありがとうございましたと落合氏と握手をして終わり。
落合氏の手はさすがごつい手だった。
体型は現役時代と違って細くなっていたけれど、やはり手だけは数々の栄光を掴み取ってきた年輪を感じさせる重厚感のある感触だった。
まとめ
落合氏と会いたければ年末年始に行け
落合記念館は当然ながら落合氏本人が年中常駐しているわけではない。
私は12月31日に行ったが、過去の行った人のブログなどを見ていると大晦日、元旦に行ったという人が多く、おそらく大晦日と元旦のこの2日間はほぼ落合氏本人がいらっしゃってサインや写真撮影に応じてくれるのではないかと思う。
1月2日や3日に行って会ったという人もいたので、だいたい過去のデータから行くと12月30日~1月3日あたりに行けば会える確率が高いのではないだろうか(責任は持てないが)
あと、福嗣君のツイッターを追っていると落合ファミリーが別荘に来ているかどうかが読めるという裏技もあるらしい(Twitterで福嗣君に質問すると丁寧に答えてくれたりもするそうだ。とても優しい。)
落合記念館のスタッフは地元の高校生?
受付のチケット売場のスタッフ、写真撮影を手伝うスタッフ、売店のスタッフ、喫茶室のスタッフ、総勢5~6人のスタッフがいたのだが、すべて未成年の若い男の子や女の子だった。
まさか東京から高校生バイトを連れていくということはないと思うので、おそらく地元和歌山の高校生を正月限定アルバイトとして雇っているのかな、と想像する。
あんな田舎町の高校生にとって、日本一有名なプロ野球選手といってもいい落合氏の別荘が自分たちの地元町にあって、そこで落合氏本人と接しながらアルバイトするってどういう気分なのだろう。
まぁ、今の16~17歳の子からしたら落合氏の現役時代はまず知らないはずだし、彼らの感覚からすれば落合氏が毎年ここに来るのが当たり前になっていて、もしかしたら東京から来る親戚の叔父さんくらいの感覚なのかもしれないなとも思ったりした。
落合記念館の収支予想
私が滞在した12月31日の11時から12時半までの1時間半の間でだいたい滞在人数は25人くらいいたと思う。
落合記念館は朝9時から17時までの営業なので1日約60人くらいの来館者と予想。
入場料は1人2000円なので、入場料収入だけで120,000円。
売店のサイン色紙やサインボール、落合氏の著書やTシャツなどの物販収入が1日3万円と推定。
そして、2階の喫茶室の飲食収入を5万円と推定。
合わせてざっと、1日200,000円の収入。
アルバイトの人件費を時給1000円×7時間×5人=35,000円と推定。
経常利益は1日165,000円。
これが12月30日~1月3日までの5日間続くとすると5日間で825,000円の利益。
うーん。落合さんの金銭感覚ならおそらく屁みたいな金額なのだろうが、一般的な感覚からすると「稼ぎますね~」
※あくまでも私の勝手な妄想収支予想ですので本気に取らないでくださいね!
落合さんと会話を楽しみたければ野球以外の話!
前段でも書いたが、基本的に落合記念館にいる時の落合氏は完全オフモードだと思うので、あまり込み入った野球の話は好まないような雰囲気を感じた。
もし、落合記念館を訪れて落合氏本人と会話できるチャンスが訪れたら、軽い世間話から入って時事的な話題(世間話)や家族(福詞君や信子夫人)の話なんかを交えながら、落合氏の好きなプラモデルやアニメの話題なんかに持っていけたら結構話が弾んで楽しいのではないかと思う。
もちろん、どうしても野球の話をしたいという人は玉砕覚悟で行くのもいいとは思う。前段の勇敢な中日ファン男性のように議論で食らいついてくる骨のある勇者のことは認めてくれるかもしれない。落合氏も勉強してきている人間や熱心な人間には優しく接してくれると思うし。
でも、やはりあまり込み入った野球の技術論や采配論なんかをぶつけても所詮こちらは素人であちらは超一流のプロ。打てば響く答えはまともに返してくれない気がする。素っ気ない返しにも屈しない強い精神力のある野球大好きっ子は挑戦してみるのもいいと思う。